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過去の法話「少欲知足」
 暑くて長い夏が終わり、あっという間に秋が過ぎ去り、時節は師走を迎えました。まさに「光陰如箭」です。
 師走と言われる12月は、22日(水)が「冬至」、23日(木)が「天皇誕生日」、そして、31日(金)が1年の締め括り「大晦日」です。
 また、8日(水)は仏教徒にとって特別な日「仏成道会(当山の行事説明参照)」です。禅宗の修行道場では1日から8日の未明に掛け「臘八大摂心」(ろうはつおおぜっしん)を行います。更に、12日(日)は本山妙心寺の「開山忌」、開山無相大師への報恩のお勤めを致します。
 そして、10日(金)は「世界人権デー」です。「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、尊厳と権利とについて平等である」とする「世界人権宣言」が、1948(昭和23)年のこの日、パリで行われた第3回国連総会で採択されました。それを記念して1950(昭和25)年の国連総会で記念日になりました。
 少欲知足(しょうよくちそく)  足るを知って心穏やかに
「知足」東海大光老大師筆 人は自分の欲望が満足されないと苦悩します。
 仏教では「少欲知足(欲を少なくして足ることを知る)」が大事とされます。『遺教経(ゆいきょうぎょう)』に、
 知足の人は地上に臥(ふ)すと雖(いえど)も、なお安楽なり。不知足の者は、天堂に処(しょ)すと雖も亦(また)意(こころ)に称(かな)わず。不知足の者は、富めりと雖も而(しか)も貧し。
 足るを知る者は地べたに寝るような生活であっても幸せを感じる。しかし、足るを知らない者は、天にある宮殿のような所に住んでいても満足できない。足るを知らない者はいくら裕福でも心が貧しい。
 茶人利休に、足ることを知って分に安ずるという「知足安分」の茶道理念があります。利休は「南方録」巻頭覚書に、「家は漏らぬほど、食事は飢えぬほどにて足る事也。是仏の教え、茶の湯の本意也。水を運び、薪をとり、湯を沸かし、茶をたてて、仏に供へ、人に施し、我ものむ。花をたて香をたく。みなみな仏祖の行ひのあとを学ぶ也。」と述べています。
 必要な分を必要なだけ用意して茶をたて、まず仏に供え人に差し上げ施して、最後に自分も頂くと言う、謙虚に思いやる、自利利他の精神です。
「知足」:前妙心寺派管長 東海大光老大師 筆
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